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ここから私は引き込まれた。

宇津井泰子(株式会社Gift  代表取締役 Casting Producer)
 

7人を殺害した罪に問われている女性を接見しに拘置所を訪れた舞台作家であり、支援団体に参加している男性。
冒頭の緊張感を感じる中での名前のやり取りからセンスを感じた。
ここから私は引き込まれた。
男性の取材依頼に対して女性が出した条件は私の予想外の展開が多かった。

私は、拘置所での話は過去幾つも目にしてきたが展開が単調で終わるものが多かった。

しかし今回は男性の微細な表情から困惑、どこに向けたらいいのか分からない感情などがよく伝わってくる。
女性も自分の罪を受け入れているものの揺れ動く感情が伝わってくる。
二人の会話の間でさえも次の会話がどのように展開するか期待してしまう。

音楽が最小限であったのも作品に集中して観ることが出来たと思う。

ラストで「異邦人の庭」の意味が分かるが、「生きる権利」と「死ぬ権利」女性が選択するのは。。。

そしてもし私だったらと考えた作品でした。

舞台作家を演じた明逸人の微細な表情。
本当に男性の心理がリアルに伝わって来た。

死刑囚を演じた飛世早哉香の台詞も死を覚悟しながらも男性にほんの少し、ほんの少し救いを求めていた感じがした。

男性目線、女性目線から何度も観てみたくなる。

大賞受賞となる素晴らしい作品です。

いつか一緒に作品に携われたら嬉しいです。

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